ふるさと納税のやり方を調べると、「会社員向け」「ワンストップ特例」の説明ばかりで、個人事業主やフリーランス、年金受給者はどう手続きすればいいのか分かりにくい、と感じたことはないでしょうか。会社員と違い、個人事業主や一部の年金受給者はワンストップ特例が使えず、確定申告が必要になります。この記事では、会社員以外の人がふるさと納税をする際の具体的な流れと注意点を解説します。
本記事はアフィリエイト広告を含みます。紹介する情報は記事作成時点(2026年8月)のものであり、税制は変更される可能性があるため、最新情報は国税庁の公式サイトでご確認ください。
結論:個人事業主はワンストップ特例が使えず、確定申告が必須
個人事業主・フリーランスは、そもそも毎年確定申告をする立場のため、ワンストップ特例制度の対象外です。寄付先の自治体数にかかわらず、ふるさと納税分は確定申告書に記載して申告する必要があります。一方、年金受給者は「確定申告が不要な人」に該当すればワンストップ特例を使えますが、条件を満たさない人は確定申告が必要になります。自分がどちらに当てはまるかを最初に確認しましょう。
個人事業主・フリーランスの場合
ワンストップ特例が使えない理由
ワンストップ特例制度は「確定申告や住民税の申告をする必要がない給与所得者等」を対象にした制度です。個人事業主は事業所得について毎年確定申告をする義務があるため、寄付先が1自治体だけであってもワンストップ特例の対象にはなりません。誤って申請書を提出しても、確定申告をすればその年の申告内容が優先され、ワンストップ特例の適用は無効になります。

確定申告での手続きの流れ
個人事業主がふるさと納税分の控除を受ける流れは、次のとおりです。
- 寄付をした自治体から届く「寄附金受領証明書」を保管しておく(複数の自治体に寄付した場合は全件分)
- 確定申告書の「寄附金控除」欄に、寄付した自治体・金額を記載する
- 証明書は原本を確定申告書に添付するか、ふるさと納税サイトが発行する電子的な証明書データをe-Taxで送信することで、原本添付を省略できる場合がある
- 事業所得の申告と合わせて、寄附金控除も同じ確定申告書の中で処理する
証明書の管理方法や添付の要否は、利用するふるさと納税サイトや申告方法(書面・e-Tax)によって扱いが異なるため、確定申告の直前に慌てないよう、寄付のたびに証明書を1か所にまとめておくことをおすすめします。
控除限度額の計算で注意すること
ふるさと納税の控除限度額は、その年の所得金額をもとに計算されます。個人事業主の場合は給与収入ではなく事業所得(売上から経費を差し引いた金額)が基準になるため、給与所得者向けの早見表をそのまま使うと目安がずれることがあります。年によって所得の変動が大きい人は、確定申告の見込み額がある程度固まってから寄付額を決める、あるいは年内に余裕を持った金額で寄付し、限度額を超えないよう保守的に見積もるのが安全です。控除限度額の考え方の基本は限度額シミュレーション記事で解説しています。
年金受給者の場合
ワンストップ特例が使えるケース・使えないケース
国税庁の解説によると、年金受給者のうち、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ公的年金等以外の所得が20万円以下など、確定申告が不要な条件に該当する人は、寄付先が5自治体以内であればワンストップ特例を利用できます。一方で、医療費控除を受けたい、複数の年金受給先があるなど、何らかの理由で確定申告をする場合は、その年はワンストップ特例が使えず、ふるさと納税分も確定申告に含めて申告する必要があります。
還付申告という選択肢
公的年金等の収入が400万円以下などで確定申告が不要な人でも、税金の還付を受けるための「還付申告」は任意で行えます。ワンストップ特例の申請を忘れた、または5自治体を超えて寄付してしまった年金受給者は、還付申告でふるさと納税分の控除を受けられる場合があります。ワンストップ特例に間に合わなかった場合の一般的な対処法はこちらの記事で解説しています。
控除限度額の計算で注意すること
年金受給者の控除限度額は、公的年金等控除を差し引いた後の所得金額をもとに計算されます。給与所得者向けの早見表とは所得の算出方法が異なるため、目安がずれやすい点に注意が必要です。正確な金額を知りたい場合は、確定申告書等作成コーナーのシミュレーターなど、年金収入に対応した計算ツールを使うことをおすすめします。
会社員との手続きの違いまとめ
| 立場 | ワンストップ特例 | 手続き方法 |
|---|---|---|
| 会社員(確定申告不要) | 利用可(寄付先5自治体以内) | 申請書を寄付先に郵送するだけで完結 |
| 個人事業主・フリーランス | 利用不可 | 毎年の確定申告に寄附金控除として記載 |
| 年金受給者(確定申告不要な人) | 利用可(寄付先5自治体以内) | 申請書を寄付先に郵送するだけで完結 |
| 年金受給者(確定申告が必要な人) | 利用不可 | 確定申告に寄附金控除として記載 |
よくある質問
Q. 個人事業主ですが、うっかりワンストップ特例の申請書を出してしまいました。どうすればいいですか?
A. 個人事業主は確定申告が必須のため、ワンストップ特例の申請書を出していても、確定申告でふるさと納税分を申告する必要があります。確定申告をすれば、申請書の提出の有無にかかわらず確定申告の内容が優先されます。二重に控除されることはないので、確定申告書に正しく記載しましょう。
Q. 個人事業主が確定申告でふるさと納税を申告し忘れたら、後から追加できますか?
A. 確定申告の期限後であれば、原則として「更正の請求」という手続きで申告内容を修正できます。手続きの詳細は所轄の税務署に確認してください。
Q. 年金受給者ですが、確定申告が必要かどうかの判断が難しいです。誰に相談すればいいですか?
A. 確定申告の要否は収入や所得控除の状況によって個別に異なるため、最終的な判断は税務署や税理士に確認するのが確実です。国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、入力内容から要否の目安を確認できます。
まとめ
個人事業主・フリーランスはワンストップ特例が使えず、毎年の確定申告でふるさと納税分を申告する必要があります。年金受給者は、確定申告が不要な人はワンストップ特例を使えますが、他の理由で確定申告をする人は対象外です。どちらの場合も、控除限度額の計算方法が会社員向けの早見表とは異なる点に注意しながら、寄付先の証明書をきちんと保管しておきましょう。



コメント